感情の習慣

「これまで思考」と「これから思考」でゴール達成を考えよう

投稿日:2021/12/22


「ゴール設定をしても、すぐにもの足りなくなってしまう」という悩みを持つ方々がいます。

それはもしかすると「これまで思考」にかたよっているのかもしれません。




 

「これまで思考」と「これから思考」とは?

ゴール達成について、シカゴ大学の心理学者であるミンジュン・クー氏とアイエレット・フィッシュバック氏の興味深い研究がありなす。

それは、

・「これまで思考」

と、

・「これから思考」

の違いです。

ゴール達成を目指している人が、この2つのうちどちらの思考をしているか。

それによってゴールを達成する確率が変わってしまうんですね。

たとえば、Aさんは、過去に達成してきたものに意識を向ける傾向にあるとします。

この場合、Aさんは「これまで思考」にかたよっているといえます。

一方、Bさんは、未来になしとげたいことに意識を向ける傾向だとします。

こうなると、Bさんは「これから思考」にかたよっているということになります。

人が動くためには、かたよりが必要です。

「右足を出す」ことでバランスを崩すことによって、左足が出る。

そうして、「歩く」という動作がつくられていくわけです。

 


 

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モチベーションが高まる「これから思考」

研究では、人がモチベーションを維持するために、

・「これまで思考」

と、

・「これから思考」

という2つの考え方のうち、どちらかを選ぶ傾向にあることがわかりました。

もちろん、これは同時に考えられることです。

わかりやすいのはマラソンランナーですね。

私がマラソンレースを走るときは、ゴールへの意欲を保つために、すでに走り通した距離をふり返ります。

「30キロもの距離を走ってくることができた」と思うわけです。

「これまで思考」ですね。

同時に、先に残された距離を考えることもあります。

「あとゴールまで12キロちょっとだ」と。

これは「これから思考」です。

どちらの考え方にもメリットがあるんです。

でも、あまりに「これまで思考」にかたよってしまうのは避けたいところ。

なぜなら、過去に達成してきたことばかり考えるようになると、ゴールに向けたモチベーションが低くなってしまうからです。

実際、ゴールに向けて行動しているのに、過去のプロセスに意識を向けてばかりいる人たちを調べました。

すると「これまで思考」の人たちは、中途半端な達成感を味わってしまい、行動が停滞しはじめるということがわかったんですね。

それが明らかになっている研究もあります。

その研究は、大学の試験。

大学生を対象とした研究で、学習する分野が

・「あと52%残っていますよ」と言われた学生たちのグループ

のほうが、

・「もう48%は学習が終わってますよ」と言われた学生たちのグループよりも、モチベーションが高かったそうです。

まさに、

・「あと52%残っていますよ」→これから思考

・「もう48%は学習が終わってますよ」→これまで思考

ですよね。

 

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モチベーション低下したらゴールを再設定する

この研究を知ったときは、私はマラソンチームのNさんの話を思い出しました。

彼は、なんというか私の想像を超えているランナー。

100キロや200キロを超える長距離走を何度も完走しています。

一時期は、毎月のようにウルトラマラソンのレースを走っていたこともあります。

トライアスロンのアイアンマンレースも完走していました。

ここまでくると、フルマラソンはウォーミングアップなのではないかと思うほどです。

そのNさんが、次のレースを控えていたあるとき。

(私にとっては)驚きの行動に出ました。

なんと、過去のマラソンレースのメダルをどんどん捨てていたのです。

なぜか。

その理由は、モチベーションを次のレースに向けるためでした。

それまでのすばらしい実績を証明する完走メダルたち。

それを自らの手で手放したわけです。

つまり、Nさんは完走メダルを捨ててしまうことで強制的に「これから思考」にかたよりをつくったのです。

もしかしたら、Nさんは「これまで思考」にかたよりそうな思考を感じた可能性があったのかもしれません。

それで、「これまで思考」になることを避けるために、たくさんの完走メダルを捨てたのではないかと。

そうして「これまで思考」を手放したNさんは、今でも走っています。

もちろん、「これまで思考」がすべて悪いわけではありません。

自分が積み上げてきたものを大切にするのはもちろんOKです。

ただし、積み上げてきたものだけに安住してしまうと危険です。

そこに流されそうなときは「これから思考」の出番。

今のゴールを見直してみましょう。

ゴールというのは、生鮮食品のようなもの。

鮮度が落ちていたらだめなのです。

その時点で、もう「ゴール」では無くなっています。

ゴールは、イメージしたときに心が踊りだすようなものを設定することが大事です。

そのためにも現状をチェックして、ゴールとこギャップに目を向けていくのです。

そのためにも、「これから思考」でゴールを再設定してみましょう。

 


 

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■編集後記

昨日は、朝6時の「習慣化オンラインサロン」朝活ファシリテーションからスタート。

夜は、会社の仕事が押し寄せてきていました。。。

帰宅後に、「90/90/1」プロジェクトのセミナー準備も。(^^)


 


 

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・100kmウルトラマラソンランナー
・会社員

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1975年生まれ。茨城県出身、東京都在住。

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