思考の習慣

WRAPプロセスを活用して「自分だけは大丈夫」というトラップから抜け出す方法

投稿日:2020/04/09


災害のようなトラブルが広がっているときに「自分だけは大丈夫」という人を見かけます。

そう思うのは悪いことではないと思いますが、根拠はありませんよね。(^_^;)

そのトラップから抜け出すための具体的な思考テクニックをご紹介します。




 

「正常性バイアス」というトラップ

「世間ではいろいろと言っているけど、自分にはトラブルは起こらないだろう」

「今までも大丈夫だったから、自分にそんなに悪いことが起きるはずはない」

「自分は生まれつき幸運体質だから、今回も大丈夫なはず」

そう思っている人はいないでしょうか。

・・・はい、私がそのタイプです。(汗)

このよう考えてしまう人は、心理学でいうと「正常性バイアス」という影響を受けています。

「正常性バイアス」というと難しい言葉のように聞こえるかもしれません。

ただ、意味としては簡単で、

「自分にとって都合が悪い情報を無意識のうちにスルーしてしまう」

ということです。

周りから見るとミスしそうな状況なのに、本人は「自分は大丈夫」「自分には悪いことは起きない」と考えてしまうわけです。

たとえば、大雨が降って避難勧告が出たとします。

それなのに、逃げずに自宅にいたために、災害の犠牲になってしまう人がいます。

こうした人たちの心境は「今までも大丈夫だったから今回も大丈夫ははず」という感覚なんですね。

これが「正常性バイアス」が働いている状態です。

 


 

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「WRAPプロセス」とは何か?

先日、私は風しんの抗体検査に行きました。

私の昭和50年生まれの前後は、風しんの予防接種をしていない時代らしいのですね。

風しんの抗体がないまま日常生活をすごしていて、万が一でも妊婦さんにうつしてしまうようなことがあったら大変なんです。

昭和37年度~昭和53年度生まれの男性の方は、ぜひ一度こちらのページなどを調べてみましょう(まあ、私も妻から聞いたんですけれど)。

風しんの追加的対策について

 

検査の結果、私は風しんの抗体があったのでホッとしたわけですが、正直なところ「自分は大丈夫だろう」と思っていたんですよね。

抗体がなかったらショックを受けるところでした。

こういった判断ができなくなるのが「正常性バイアス」です。

では、そんな「正常性バイアス」というトラップにはまらないためにはどうすればいいのでしょうか(こういったことは、学校では教えてくれないんですよね)。

具体的な方法がわからなければ、対策ができませんよね。

そこでご紹介したいのが、

・「WRAP(ラップ)プロセス」

です。

これは、スタンフォード大学ビジネススクール教授のチップ・ハース氏と、デューク大学社会起業アドバンスメント・センターシニアフェローであるダン・ハース氏の兄弟が考案しました。

「WRAPプロセス」は、4つの頭文字をとっています。

[W]:Widen Your Options

[R]:Reality-Test Your Assumptions

[A]:Attain Distance Before Deciding

[P]:Prepare to be Wrong

これらを要約すると、

・ステップ1 W:選択肢を広げる

・ステップ2 R:仮説の現実性を確かめる

・ステップ3 A:決断の前に距離を置く

・ステップ4 P:誤りに備える

という内容です。

どのように使っていくのか、見ていきましょう。

 


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「WRAPプロセス」で具体的に考える

では、「WRAPプロセス」をどのように活用するのでしょうか。

たとえば「台風がきて大雨洪水警報が出ており、避難勧告が出された」という状況を「WRAPプロセス」考えてみましょう。

 

ステップ1 W:選択肢を広げる

「避難勧告が出された」という状況では、私たちは

・避難する

・避難しないで自宅にとどまる

といった2択で考えがちです。

でも、これは視野がせまくなってしまっているんですね。

「二者択一しか選択肢がないことは殆どない」という言葉があるように、「AかBか」だけで判断できないことのほうが多いです。

ですから、選択肢を広げて、

「もし避難しない場合は、どんな対策を打てるのか?」

「避難する場合は、どこに逃げればいいのか?」

「万が一のときの家族の集合場所はどこにするのか?」

などを考えます。

 

ステップ2 R:仮説の現実性を確かめる

このステップは、「正常性バイアス」に対処する部分です。

たとえば、避難を考えたとして、

「避難した場合は、どんなすごし方になるのか?」

「過去に避難した人たちが注意していた点にはどんなことがあるのか?」

など、過去の事例を調べてみましょう。

それによって現実がわかります。

また、

・あえて反対意見を集める

・自分の意見だけでなく、他の人の意見を聞く

・専門家に意思決定の「基準値」を聞く

といった手法もおすすめされています。

 

ステップ3 A:決断の前に距離を置く

実際に決断する際に、その感情が一時的なものでないかチェックしましょう。

たとえば、「この決断をして3ヶ月後や3年後に後悔しないか?」といった視点で問題を眺めてみます。

もしくは、第3者の視点から見つめて、「親友が同じ状況にいるとしたら何とアドバイスするだろう?」という観点で問題をとらえ直すことも有効です。

気持ちを紙に書き出したり、瞑想をしてからあらためて決断をチェックしてみます。

 

ステップ4 P:誤りに備える

ここまで考えても、私たちは自分たちの決断に後悔することがあります。

人は、自分の判断に自信過剰になるときがあるからです。

そのときは、最悪の結果と最高の結果を考えてみます。

たとえば、最悪のケースとして「避難所まで浸水してきたらどうするか?」を考えるということですね。

その場合は、「すぐに出られる準備をしておく」「別の避難所を確認しておく」という風に、さらなる選択肢を考えられるでしょう。

 

以上、「WRAPプロセス」の解説でした。

4つの「WRAPプロセス」で考えるメリットは、「正常性バイアス」を離れて冷静になれるところです。

今後、さらにいろいろな判断が問われるフェーズになってくる可能性もあるので、あなたも「WRAPプロセス」を活用してみましょう。

さらに詳しい内容を知りたい方は、本がおすすめです。

 


 

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■編集後記

昨日は、コーチングセッションを受けました。

今週末にスタートする良習慣コミュニティーにかける想いについて対話。

私が次第に熱い口調なっていたようで「伊藤さんの熱の入り方が今までと違いますね!」というフィードバックを受けました。

キックオフミーティングはオンライン開催に変更しますが、熱量は1ミリも落とさずに全員で走り出したいと思っています。(^^)

こういう状況だからこそ自己成長のための投資が重要になってくるはずです。


 


 

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