読書の習慣

「知覚力」を磨く3つの習慣。他者との対話・読書・自問自答

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成果をあげるためには、現状を正しく把握することが不可欠です。

ただ、バイアスだらけの現代人には「あるがまま」をとらえるのが難しい。

では、どうすればいいのか。

それは「知覚力」というスキルを磨いていくことが重要なのです。




 

現代に必要なのは思考力よりも知覚力

“あらゆる知識のはじまりは、知覚である”

レオナルド・ダ・ヴィンチ氏の言葉です。

この言葉が冒頭を飾るのが、本「知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法」です。

著者は神田房枝さん。

・法人教育コンサルタント

・美術史学者

・ダヴィンチ研究所ディレクター

というプロフィールをお持ちで、

・メトロポリタン美術館

・ボストン美術館

・イェール大学

・ハーバード大学

でご活躍されたとのことです。

プロフィールとキャリアを読むだけで圧倒されますね。

 

神田さんが「エキスパートカフェ」にご登壇

昨日は、その神田房枝さんご本人が登壇される読書会に参加しました。

主催は、日本最大級の読書会コミュニティ「リードフォーアクション」(私もリーディングファシリテーターとして所属しています)。

「リードフォーアクション」では、「エキスパートカフェ」という読書会イベントを定期開催しています。

課題本の著者の方が読書会にお越し下さり、読書会のあとに直接質問できるという贅沢な趣旨なのです。

これが無料とは。

いつも「すばらしいよな」と感じています。

本に興味があるあなたには、強くおすすめいたします。

 

テーマは「知覚力」

さて、今回の本のテーマは「知覚力(ちかくりょく)」。

正直なところ、私には耳慣れない言葉でした。

私にとって「知覚」は、普段使いの言葉ではなかったからです。

それだけに興味が高まります。

神田さんによると、現代のような不透明の時代に必要なのは思考力よりも、知覚力なのだということです。

なぜか。

私たちはものごとを「あるがまま」に見ることができにくくなっているからです。

 

知的生産の3つのステージ

その構造を説明するのに、本書の中からシンプルな説明を発見しました。

それは「人間の知的生産には3つのステージがある」という部分です。

3つのステージは、

(1)知覚する

(2)思考する

(3)実行する

という3段階です。

このうち、今は「(2)思考する」にかたよる傾向があるとのこと。

たしかに、ロジカルシンキングの必要性が叫ばれることもあり、活躍するためには思考力は欠かせないスキルでしょう。

ただし、正解がないこの時代、思考力が高まるだけではうまくいかないようになってきました。

理由は、「思考する」以前に「知覚する」必要があるからです。

要は、私たちが望む成果を出していくためには、まず

(1)知覚すること=入口

を意識することが重要。

その間に「(2)思考すること」があり、出口として「(3)実行すること」があるわけですね。

それなのに、もし「知覚」という入口を間違ってしまっていたらどうなるか。

どれだけ思考力がある人でも、出口を間違ってしまうでしょう。

たとえば、ノーベル賞をとるような優秀な博士でも、子どもから出された質問自体が間違っていたら、答えを間違ってしまいますよね。

つまり、「知覚」という入口を正しくとらえなければ、望む出口にはたどりつけないということです。

 


 

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「知覚」という入口を正しくとらえる重要性

「戦略の失敗は戦術では取り戻せない」という言葉があります。

まさに、入口と出口の話ですよね。

知的生産の3つのステージでいうと、

(1)現状把握を間違えたら(知覚のミス)

(2)どれほど考えても(思考のミス)

(3)望んだ成果にはつながらない(実行のミス)

ということです。

反対にいえば、現状を正しく把握できていれば思考が有効になります。

思考が機能すれば、実行することで得たい成果につながるでしょう。

 

ダイエットで考える「知覚→思考→実行」

習慣で考えてみましょう。

たとえば、ダイエット。

まず、「(1)知覚」。

体重計測や体脂肪計測ですね。

腹囲を計測することや、どのような食事をとっているのか分析することも含まれます。

次に「(2)思考」。

現状を知覚できたら、どのような運動や食事をしていくのか考えます。

単純にプランだけ考えるだけでは実現は難しい。

その人を取り巻く環境や性格タイプが異なるからです。

ここで思考を活かす必要があるのです。

成功するダイエットには、正しく思考することが欠かせません。

最後に「(3)実行」。

考えたプランを実行にうつしていきます。

正しく現状を「知覚」して、適切なアプローチを考える。

そうなれば、ダイエットはうまくいくでしょう。

結果として、望んだ成果につながるのです。

 

誤って「知覚」した場合のリスク

しかし、最初の体重計測のときに体重計が壊れていたとします。

そのため、10キロ以上も多く計測されてしまったらどうなるでしょうか。

「や、やばい(滝汗)」となりますよね。(笑)

自分の想定より10キロも多く「知覚」をミスするわけですから。

そうなると、過激な運動や無理のある食事制限をしてしまうかもしれません。

急激なダイエットは、リバウンドのリスクもあります。

最悪、体調を崩してしまうでしょう。

最初に望んだ成果とはかけ離れた現実が待っているわけです。

これが、知覚が間違ってしまっていることから起きる悲劇。

このような悲しい事態をひき起こさないためにも、適切に「知覚する」という入口が重要なのです。

 

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「知覚力」を磨く3つの習慣

今回、「知覚」はとても重要なキーワード。

ウィキペディアで調べてみました。

“知覚(ちかく、英語: perception)とは、動物が外界からの刺激を感覚として自覚し、刺激の種類を意味づけすることである”

この感覚を磨き、できるだけありのままの世界をとらえられるようになっていきたいものです。

では、重要な知覚力を磨くためには、私たちはどのようにしていけばいいのでしょうか。

本書を参考にして、「知覚力」を鍛える3つの習慣をピックアップしてみました。

1:対話をする

2:読書をする

3:自問自答する

 

1:対話をする

1つ目は「対話をする」。

言うまでもなく、1人の人間の知識には限りがあります。

つまり、ある個人が抱く解釈は、存在し得るあらゆる解釈の幅からすれば、ものすごく狭いということです。

この限界を超えたければ、自分とは異なる他者の知覚を取り入れるべきです(P.64)

私たちの本能は、安心・安全を求めます。

ですから、変化を嫌いますし、自分が理解できる領域にとどまりたいのですね。

「習慣化できない」とか、「やりたいことが見つからない」のは安全領域に停滞しているからなのです。

しかし、それでは成長はありません。

だからこそ、自分とは異なる背景や考え方を持った他者と対話が必要です。

それによって自分の「知覚」が磨かれるのです。

「リードフォーアクション」の読書会でも「ダイアローグ」として、読後の対話を重要視しています(これが本当におもしろいのです)。

このスタイルこそ、まさに

「他者」の知覚を取り入れる(P.64)

ということでしょう。

ダイアローグ習慣で自分の思考を深めよう | 【良習慣の力!】ブログ

 

2:読書をする

2つ目は「読書をする」。

そうは言っても、つねに刺激的な知覚をシェアしてくれる「他者」に出会うことは、なかなか難しいという人も多いでしょう。

このときこそ読書の出番です。(P.65)

人と気軽に対面で会えない今、やはり他者の知にふれる読書が重要です。

読書は学びや知識の幅を広げてくれます。

神田さんは、学びに重要なのは、

異質なもの同士を「関連づける」という視点(P.65)

とのこと。

事実、世界の一流経営者たち(ジェフ・ベゾス氏、ビル・ゲイツ氏、イーロン・マスク氏、孫正義氏、柳井正氏、マーク・ザッカーバーグ氏など)は熱心な読書家として知られています。

ただし、注目すべきは彼らが読んだ冊数ではありません。

読書ジャンルなのです。

それは、

・哲学

・小説

・歴史

・サイエンス

・政治

・経済

・心理学

など、多岐にわたっているそうです。

その狙いは、

彼らは「知識を得るため」以上に、「知覚の幅を広げるため」に本を読んでいると言ってもいいでしょう(P.66)

ということ。

私の読書は専門分野に偏る傾向にありますので、知覚を広げるためには読書ジャンルを広げる必要がありそうです。。。

実際、読書会を開催すると、ほかの人の選書から学ぶことができるので効果的です。

オンライン読書会を開催する5つのメリット | 【良習慣の力!】ブログ

また、信念を刷り込むという意味で「座右の書」をくり返し読む習慣を強くおすすめしています。

座右の書を活用して「一貫した自分軸」をつくる方法 | 【良習慣の力!】ブログ

 

3:自問自答する

3つ目は「自問自答する」。

知識のベースとなる知識は、すべて正しいとは限りません。

だからこそ、ぜひ意識していただきたいのは、「なぜ自分はそのような意味づけをしたのか?」と自問してみることです。(P.67)

これは私の専門であるコーチングでも重要視している部分です。

私たちの思考は思い込みのコレクションでできています。

それは、無意識的につくられているものが多いのですよね。

思考や信念が変化しなければ、現実は変わりません。

変化はいつも「内的な変化が先、外的な変化は後」だからです。

そこに「ゆらぎ」を与えるのは、自分の常識やルールを「それは本当か?」と問うてみること。

それによって、現実をフラットに見られるようになるのです。

ですから、事実をありのままにとらえるためにも、自分の思い込みに対して常に

「なぜ自分はそう解釈したのか?」

「どこでその事実を知ったのか?」

「なぜそれが正しい事実だと言えるのか?」

「もしもその事実が正しくないとすれば、自分の解釈はどう変わるのか?」(P.67)

と、問い続けるスタンスが必要なのですね。

「習慣の自己対話」に活用したい5つの習慣 | 【良習慣の力!】ブログ

 

まとめ

じつは、神田さんがおすすめされている「知覚力」を磨く方法は、絵画を鑑賞することです。

絵画こそ神田さんの専門分野ですし、本書にも絵画によって知覚を磨く方法がたっぷり書かれています。

ただ、私は恥ずかしながらまったく絵画に関する知見がありません。。。

そのため、私の体験から習慣をおすすめすることができませんでした(自分が体験していないことを強くおすすめすることはできませんので)。

ただ、救いがあります。

本書に絵画のおすすめの鑑賞法が書かれているのですね。

その部分を読むと「なるほど、絵画はこんな風に鑑賞すればいいのか!」と納得。

同時に、今まで何度か訪れた美術展では、何も知覚できていなかったことが発覚して衝撃がありましたが。(笑)

絵画を鑑賞するために必要な時間や絵画を鑑賞する際のポイントなど、本書を読むと「絵画を鑑賞してみたい!」という気持にさせられます。

私にとっては新しい感情と行動を促進してくれた本。

「最近、偏った読書しかしていないかも」という方には、ぜひおすすめしたい本です。

 


 

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■編集後記

昨日は、朝6時の「習慣化オンラインサロン」朝活からスタート。

夜は記事の通り、読書会(オンライン)に遅れて参加。

著者の神田房枝さんのお話を直接うかがうことができて満足。

神田さんは存在自体が「知性」という感じでした。(^^)


 


 

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